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お道と臨床と~心づくりのたね~

お道(天理教)と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.日記風なこともわりとあります.
月別アーカイブ  [ 2008年08月 ] 

おたすけにも枠を? 

未読の方は以下をまず閲覧ください.
おたすけの位置づけ

3日に宮崎先生にお会いした際に,先生は心理臨床の仕事をしていく中で,治療上重要視される「枠」ということを,おたすけにも活用していいと思うと話してくれました.そのことについて考えてみたいと思います.

以前,私は冒頭にあげた記事において,精神科臨床とおたすけの違いについて以下のように記述しています.

前者はその役割を演じる時間的・空間的に限りがあり,同時にそのことが自分自身を守ることにもなっています.限られた時間帯と場所での援助ということです.限りがあることで自分自身のその他の役割(たとえば夫に対しての妻・子どもに対しての母親・母親に対しての娘など)を侵害されることなく果たすことができます.したがって「勤務時間ないしは職場環境によって守ってもらっている」というある程度の安心感があります.(中略)

後者は時間的・空間的に特に自分で設定しない限りは限りはないということがあると思います.限りがないということはその他の役割を同時にこなしながら援助を続けていくということです.時間的・空間的限界によって自分自身を守ることができない代わりに,私たちお道の信仰者はどうしているでしょうか?私たちには幸いにも「いつ何時でも親神様が守ってくださっている」という安心感があると思います.たとえ私生活との間に明確な境界がなくともその感覚で援助を続けていける面もあると思います.それでも人間ですから限界点はあると思いますが・・・.

さて,私がこの両者をどのように区別しているかと言いますと,仕事はあくまでも仕事です.それ以上の関わりをすることはありません.職業的役割関係以外に関係持ち込むことは職業倫理として禁じられているくらいです.また,そうすることが治療的だということもあります.(以下省略)



これが正しいとは限りませんが,当時の私の理解を綴ったつもりです.お道のおたすけにおける実践という面がまだ私には乏しいので,書くこと自体恐縮なのですが,要するに心理臨床においては予め決められた時間・場所での援助ということになります.それに対して,お道のおたすけは予め決まっているわけではなく,救けを求めている人がいれば時間・場所にかかわらずいつ何時でもさせていただけるものというのが理想論としてあり,その実践のために際限なく勇ませていただく(援助する)という姿があるように思います.したがって,宮崎先生の言葉を聞いたときは「え!?いいの?」と思いました.私もいずれおたすけをするようになったら,無制限の援助をさせていただかなければいけないと思っていたからです.現に,過去私は天理の友人宅で深夜2時3時まで,お道の援助のあり方について,友人とその弟とその辺りのことで議論した覚えが曖昧ながらあります.(ベロベロでしたので・・・)

分かりやすくするために私と会長を例に比較してみましょう.私は病院において完全予約制で院内の心理室で50分間という時間をとって話を聞いていますが,会長は教会において参拝者や通話者相手に数時間話を聞くこともありますし,それが1日に何回にも及ぶこともあります.限られた時間内での援助しかしていない私にとって,際限なく援助を続けている会長の精神力には脱帽しています.今の私なら,途中で嫌気が差してしまうかもしれません.(←未熟)

論点はそこにあります.おたすけの心,おやさまの道すがらを辿ろうとする心を持って神にもたれていたとしても(私が持っているということではありません),際限なき援助ができるほど人間は万能ではないということだと思います.中にはそれができるキャパシティを持った人もいるのかもしれませんが,それでもおたすけの対象者が増えれば,たとえどんなにキャパシティがあっても1日は24時間しかないのですから,やはりどこかで体力・精神力の限界はやってきます.支えたくても支えきれないこともあるでしょうし,下手をしたら自分自身が消耗しすぎて嫌気が差してしまうこともあるかもしれません.それならば,最初から時間を区切って―「枠」づくり―の援助をするというのも1つのやり方だと思います.

「10時から20分だけなら時間とれるから」,「今から30分だけなら時間とれるけど」のように,予め時間を設定することで限りある時間を有効に使い,なおかつ自分自身が過度に消耗しないように守ることも可能になります.ある意味ドライだなぁという印象をも抱かせるやり方ですが,カウンセリングなどでは,その設定が目的意識と時間を大事に使う動機付けを高めることとなり治療的であると言われています.また,必ずしも無制限に相手の思いや要求をすべて背負いきることが,その人のため,あるいは親神様が望まれる道であるとも限りませんので,その人のことを思えばこその判断であれば,冷徹であるとか人間味がないというわけではないと思います.理由なく何でも切り捨ててしまうのであれば,そのようにも言えるかもしれませんが,その判断の裏づけとなる仮説なり展望があればいいのではないかと思います.

ただ,このおたすけのあり方についてどう通らせていただくべきなのかについては,私は現在教会に住まわせていただいているよふぼくという立場でありながら,おたすけにほとんど携わっていないという現状がありますので,自己主張はまだできません.何がよいか分からないのです.実働なき発言は説得力が無いことは承知ですが,あえて実働を伴わない立場から描く理想像だけを述べるならば,その救けを求めてやってきた人を皆どこまでも支えられればいいとは思いますが,それが普通の人間には不可能だということも感覚的に承知しているので,やはりこれといった答えも出せないのです.

先生のように,臨床心理学という学問において,あるいは心理臨床という場において治療的であり,有用とされている「枠」というものをおたすけに活かすというやり方もあるんだなぁというくらいしか言えません.もちろんこの先,自分のおたすけのスタンスを模索していく中で大いに参考にさせていただきたいです.そして,10年20年したらまた何か言えるかもしれませんので,そのときには改めて自分の経験を踏まえて述べてみたいと思います.(そのときまでblog続いているかな・・・)今日は,そういった視点の紹介ということで書いてみました.

皆さんはどう思われますか?あるいはどのようにされていますか?
おたすけをされている方のコメントお待ちしています.

※宮崎先生,私は記憶と理解がごちゃまぜになってしまうことがよくあるので,もし当該記事を読まれて誤った記述があればどうぞご指摘ください.即刻修正いたします.
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