今日は64回目の終戦記念日です.戦争を経験した世代が減っていく中,若い世代に戦争の悲惨さ,恐ろしさを伝えようと口を開く人が増えてきたように思います.嫌な体験であったことは間違いないはずですから語ることなく人生を終えていった人も数多くいるでしょう.祖父も晩年は話すことがありましたが,それまではあまり多くを語ることはありませんでした.世代交代が進み,戦争の凄惨さを生で体験していない私たちは彼らから学ぶべきことが数多くあるはずです.
時事にはあまり詳しくないのですが,唯一の原爆使用国であるアメリカのオバマ大統領が核廃絶を訴える一方で,アジアには北朝鮮の核開発などから緊張が高まっているとも言われ,日本の行く先を案じる人も少なくないでしょう.唯一の被爆国である日本が目指すこと,日本が世界に示し続けなければならないこと,それは憲法9条や非核三原則を守り抜き,平和な世界の実現を訴え続けることだと私は思います.そして日本だけでなく世界が同じ過ちを繰り返さないために平和的手段を模索し続けていくことが,戦争で犠牲になった諸々の命への報いとなると同時に,侵略戦争で多くの命を奪ってきた国としてけじめをつけることになるのだと思います.皆自分の命と引き換えに家族や国の幸せ,世界の平和を願っていたのでしょうから・・・.戦争に子どもを送り出す親の気持ち,家族を置いて死地に赴く兵士たちの思い,兵士になった途端に人を殺す術を教えられ,殺人を許されるどころか評価の対象になる,考えれば考えるほど戦争は狂気に満ちており,悲しみしか生みません.2度と繰り返してはいけないということを心の底から思います.
私が願うのはとにかくまずは平和な世の中.平和あってこその生活です.いくら生活が豊かになり保障があっても平和が脅かされるようでは根本的な命の保障がありません.今度の衆院選のマニフェストでは9条あたりのことについてあまり言及していないように思いますが,私としてはこのあたりの方針をきちんと提示してほしいと思います.力に対して力で対抗してはやはり力による報復を生み出し,その連鎖は終わることはありません.
幸福実現党という新しい政党が街中で「北朝鮮が核ミサイルを日本に撃ち込む姿勢を明確にした場合,敵基地を先制攻撃して日本を守ります」とスピーカー搭載車で走っているのを先日見かけましたが,正直驚きを隠せませんでした.危険すぎます.その後報復攻撃にあい更なる被害を生み出すことは目に見えています.このような党の出現や政治の中で日本の核武装論や軍拡化を口にする人が出るということは,一部の政治家が犯した過ちと多くの国民が背負った悲しみ,沖縄・広島・長崎の思い,それらを今の世代が十分に引き継ぎ,受け取りきれていないことなのではないかと思うので,私たちは平和の大切さ,軍事力の恐ろしさ,戦争の凄惨さについて,先人たちから学び,その思いを後世につないでいかないといけないと思いました.
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