明日は父の命日です.父への追悼の意を込めて書きたいと思います.
私は父に勧められて雅楽を始めました.父は龍笛でした.私も最初は龍笛を1年やって鳳笙に変わりました.以来鳳笙吹きです.自前の鳳笙は持っていなかったので,父に色々なところから借りてもらっていました.最初は支部の知り合いの教会から,次は母の実家の教会から,その次は父と仲良しだった人の教会から.この鳳笙は今も借りています.
父は決して上手とは言えませんでしたが,私同様結婚式や神社の祭典の楽人として吹いていました.私が吹きにいくと,「お父さん元気?」と聞かれたこともあります.
父と一緒に演奏したことがありました.記憶に残っている限り一度だけだと思います.母方祖父母の20年祭に楽人として演奏しました.晩年は歯がかけていたので,隙間から音が逃げてあまり鳴っていなかった記憶があります.そのときもそうでした.「父さん音かすれてたぞ」と笑いながらからかった覚えがあります.
あるとき,借りていた鳳笙の音質が落ちてきて手入れが必要になり「父さんがお金出してやるから直してこい」と言われ,修理にもっていきました.修理が終わった後,しばらく吹く予定がなかったので鳳笙は部屋の隅で眠っていました・・・.
そして忘れもしない4年前の1月13日未明,父が出直しました.翌14日が通夜だったのですが,父が苦しい生活の中修理費を出してくれてよい音になったのに一度も聞かせていないと思い,布団に眠っている父の枕元で1曲吹かせてもらうことにしました.
哀しみと感謝の念を抱えながら越天楽を吹きました.それはきっと旋律にも反映されていたと思います.何故って哀しみで音がプルプル震えていたからです.しかし今まで吹いたどんな演奏よりも一番上手によい音を出せた気がしました.吹き終わると周りには家族や親戚が皆集まっていて,父のために奏でた旋律に涙していたのでした.
葬儀に身内が楽人をやるわけにはいきませんので,まだわがやの床にいる間に父に聞かせることができて本当によかったと思いました.
ちなみに皮肉にも父の50歳の誕生日が告別式でした.しかし,誕生日にあれだけ多くの人が集まったのは初めてだったでしょうから,父もなかなか果報者です.ケーキを皆で作って棺に入れました.入刀時はさらに号泣でしたけどね.1切れだけ入れて後は皆でおいしくいただきました.
来月の年祭では鳳笙を吹かせていただくかもしれません.まだ細かいことは決めていませんが.
(関連記事;「
私と雅楽」も是非読んでください)
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