親の生き方が子どもにとっていかに重要かを綴りたいと思います.
子どもは良くも悪くも親の背中を見て育ちます.親としてどうあるか,あるいはどういう親であろうとするのかはとても重要です.それは親として子どもをもつようになってからは当然のことですし,親になる前の生き方も例外ではありません.子どもには話さなければわからないじゃないかと思うかもしれませんが,不思議なもので子どもはたとえ知らないでも親の道を辿っているということが往々にしてあります.それは遺伝的な要素もあるでしょうし,生まれ育った環境の類似性ということもあるでしょう.また,親は知らずとも,親の考え方,生き方が自然と子どもに伝わっていて,子どもは親の生き方に似てくるということでもあると思います.
自分の親に育てられた場合を仮定して述べますが,自分が親となったときに,親イメージとして描くのはやはり自分の親なのです.極端な話,虐待されて育った人は,殴られて育つのが当然だと考えますから,自分が親になって育児で子どもを殴っても,自分もそう育ったわけですから,そこでひどいことをしているという認識に欠けるわけです.事実そうした人がいることを私は知っています.
逆に,よき手本となるような生き方をしていれば,子どもは自ずと親を慕い,親のような生き方をしようと思い,親がそうであったように自分が親になったときにはよき手本を示すことができるでしょう.いずれにしても一般的には子は親の背中を見て育ち,親のような生き方をしていくのです.それは後述する世代間連鎖やいんねんという言葉で表されるかもしれません.
心理学的にも正常な発達過程を歩むのであれば,男の子が一番最初に目指すのは父親であり,女の子であれば母親であると言われています.「お父さんのような力強い男性になろう」「お母さんのような優しい女性になろう」と子どもながらに思って育っていくわけです.おそらく3~5歳頃です.そう思って親の言動や振る舞いを積極的に取り入れた子どもが親と似てくるのは至極当たり前のような気がしてくるでしょう.これは精神分析的発達論でいうと「エディプス・コンプレックスを克服して,同性の親へ同一化していく」という説明になると思うのですが,要は理論的な背景があるということです.知りたい人はエディプス・コンプレックスを調べてください.
まだ親となっていない私が語るのも恐縮なのですが,私の場合,自分の言動を通して―母に「お父さんにそっくりね」と言われ,私が知らなかった今は亡き父の通り方,しぐさ,考え方を知るということがよくあり,親と子は世代という時間的つながり,血という遺伝的つながり,家庭という環境的つながりを通して似通ってくるものだなぁというのをつくづく感じます.切っても切れぬ縁,親神様がお選びになった縁,その最たるものを「親子」,そう呼びます.
ですから,自分が親である人はもちろんですが,まだ親となっていない世代の人も,自分が親になった時のことを考え,自分の子どもが成長してほしい生き方,心遣いをするといいと思います.それは「たね」として人生という水平軸の地面,世代という垂直軸の地面に蒔かれます.よいことをすればよい種が,心配をかければ心配の種が撒かれるのです.そして,その種は後の人生,後の世代で必ず実をつけます.
お道ではこのことを「まいたる種ハみなはへる」と言います.自らの行いの意味を考え,将来への,次の世代へのよい種まきをするといいと思います.
また世代間に不思議と引き継がれていく様々な事情,これを「いんねん」ともいいます.社会学で言えば「世代間連鎖」ということになるかと思います.虐待,離婚,アルコール問題は世代間連鎖することで有名です.不思議なもので親が通った道を子どもも通るのです.親の撒いた種は,思わぬところで実をつけます.つまり,自分が親になったときに子どもにしてほしくないと思うことは,子どものうちから,あるいは親になる前からしないことです.
特に現代の若者は,自由奔放すぎてこれまで日本文化が培ってきた慎ましさや慈しみを失いつつあります.もちろん時代の移り変わりによって,変わっていくのが望ましい点もたくさんありますが,親として子どもに,後の世代に伝えていきたいこと,伝えなければならないことは,しっかり親の立場から伝えなければなりませんし,親になる前からそうした生き方は心がけていかねばならないと思うのです.
自分も含めてですが,若者は慎ましさを失わず,自分がいつか親となっていくことを意識して,日々を歩んでいくのが理想的であります.特に女性は母親となって母子一体の共生関係から始まり,一番最初に子どもとの信頼感を築いていく存在ですし,命の奇跡,命の尊さを身をもって体感していくわけですから,親となったときに,親として子どもが信頼を寄せるにふさわしい通り方をしてほしいと思います.あなたが親になったときに,娘が友人や彼のところへ泊まり歩いていたら心配だなぁと思うのであれば,今から親に心配をかけない生活を心がけた方がいいでしょうし,あなたが老いたときには子どもにいたわって優しくしてもらいたいと思うのであれば,今のうちから親を大切にして孝行をしてあげるといいと思います.そして「子どもは親を映す鏡」でもあります.子を通して親は自らの生き方を知ることになるでしょう.これについてはまた別のところでお話したいと思います.
親の背中,それは子どもが親となったときの背中であり,そのまた子どもたちが自然と追いかける背中でもあります.
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この考えは私の親の考え方そのものだと思いました。特に母親は、自分が経験できなかったことを強く子供に勧める人ですが、それも思えば子をおもってのこと。こう思えるようになったのは、大人になった今だからなのですが、今はとても感謝しています。
また、自分が親になった時、子供にどういう生き方をしてほしいかを考えて行動することの大切さを認識しました。改めなければいけないかなと思う節もあるので、自分の子供にしてもらいたことを親にしていきたいと思います。