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お道と臨床と~心づくりのたね~

お道(天理教)と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.日記風なこともわりとあります.

沈黙 

先日の読み逃げと無関係とも言えないので,今日は「沈黙」ということについて書きたいと思います.

殊にコミュニケーションにおける沈黙ってわりと敬遠される傾向にあると思います.大勢ならまだいいですが,二者関係で沈黙があると,なんか変なこと言ったのかな?とかつまんない話だったかな?とか機嫌損ねたかな?とかいう考えが沸いてきてなんとなく気まずい空気を感じることってありませんか?その気まずさを回避するために何かしゃべんなくっちゃと焦って,強迫的に会話を推し進めた経験はたいていの人はあるのではないかと思います.空回りしていることに気がつかずに後でひどく後悔した経験のある人も少なくないと思います.

このようにコミュニケーションにおける沈黙はたいていの人ができるだけ避けたいと思ってしまうものではありますが,実は沈黙にもそれなりに意味があるのです.相手の話を受けて何か考えたり感じたりしたことを整理しているのかもしれませんし,言いたいことがあるのだけれどもうまく言葉にならず,言葉をさがしているのかもしれません.また,沈黙それ自体が拒絶という意味を持っていることもあります.

一方,こちらが気まずく感じるのはこちらの感じ方の問題です.その人が沈黙に対する苦手意識があったり否定的なものとしか見ていなかったりすると,沈黙を避けようとするので,無理に言葉を発してしまいます.そうすることで,相手の思考や感情体験のプロセスを妨げてしまうかもしれないのです.ですから,沈黙を恐れずにまずはその沈黙の意味を冷静に考えてみるということが非常に重要なわけです.

カウンセリングにおいては患者さんの沈黙を重視します.こちらが投げかけた言葉は自分自身で思っている以上に意味を持ちます.先述のように何か考えたり感じている可能性が十分にありますので,まずは相手の出方を待ちます.しばらく待っても何も言わないようであっても,こちらから別の話題をあげるようなことはたいていはしません.その沈黙には何らかの意味があるはずだという前提に立っているので,「今どんなことを感じていますか?」とか「どんなこと考えていましたか?」とか「何か頭にあることがあれば言ってみてもらえますか?」声かけをして相手の反応を促します.たいていはその後答えてくれますし,この後再度沈黙になったとしても,それはさっきまでの沈黙とはまた別の沈黙です.新たにその言葉の刺激を受けて始まったプロセスがあるかもしれません.

沈黙は恐れがちなものではありますが,どうぞ沈黙を恐れずに沈黙を守る強さを身につけてください.沈黙には沈黙する本人にしかわからない体験があるのです.沈黙を恐れなくなったとき,コミュニケーションは今まで以上に円滑になるかもしれません.

次回は,ネットコミュニケーションにおける沈黙について考えます.


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本人やそのご家族が沈黙してしまった時、つい私から話を切り出してしまうことがあります。
「いい質問したかな?」となんとなく手ごたえを感じた時(自己満足)でも、相手は、「あの時は、黙っていてほしかった・・・」と思っているかもしれません。
現に、一生懸命こちらからアプローチしすぎるより、相手が話をしてくれるのを辛抱強く待っていた方が、一緒に訪問看護に同行してくれた人(看護師さん、PSW等)にも「あいこさん、聞き上手だね」と言われます。こちらが感じていることと、患者さん、そして訪問看護に同行してくれた人との感じ方・捉え方は違うんですね。
つい、沈黙に耐えかねて、発言してしまいがちですが、沈黙も大切なコミュニケーションですよね。沈黙を守る強さを私も身につけたいです。
[ 2007/03/26 22:41 ] [ 編集 ]
あいこさんもやってしまいますか.やっぱありますよね.沈黙って難しいです.
[ 2007/03/27 08:12 ] [ 編集 ]
私は人の顔色を伺って生きてきたので沈黙が怖いのです。だから、お喋りなんですが・・複数の人の中では話せないのです。宴会や会議が苦手です。

二人だけなら沈黙が嫌で、顔色を伺いながらお喋りを続けます。自分に自信が無いからだと思います。

掲示板に書き込みをすると何度も見に来ます。人の評価が怖いのです。だけど、良く思われたいと思って次から次へと書いてしまう。

少し自信が付いてきたらお喋りも減るのでしょうか・・
[ 2007/03/27 10:10 ] [ 編集 ]
たいていの人は苦手だと思いますよ.顔色をうかがうのは相手の反応を見ながら会話ができているということなのでプラスの力ですよ.適度に使えるといいですね.
書き込んだ後に何度もみにくるのも自然な心理だと思います.人は他者の評価をある程度気にするものです.
自信がつくとおしゃべりが減るかどうかはわかりませんが,寡黙ながら実のある人は素敵ですよね.父がそうだったなぁと今になって思います.生前はあまり思いませんでしたが・・・.
[ 2007/03/27 21:04 ] [ 編集 ]
私はそんなに頭の回転がいいわけじゃなくて、日によって調子のいいときもあるけど、苦手な人といるとき何か話さなきゃと思うけど、話題が浮かばなくて。。気を使ってしまいます。黙っていて気を使わない相手というのが真の友達なのかなとも思うけど・・
思うんですけど、おしゃべりな人ってメモりませんよね。
人の話を聞けませんよね。
とりあえず私は人の話を聞ける側にいるようです。どんな内容の話でも言い方次第で言えると思ってます。日々勉強してますが・・
[ 2007/03/28 17:08 ] [ 編集 ]
まおさんのコメントは、心が楽になりました。ありがとうございます。
沈黙に意味があることを知り、今度は恐れないようにしたいと思います。

私は、元々はお喋りではありませんでした。家の中で一人で遊んでいる子でした。幼稚園は登園拒否児でした。人と関わるのが苦手な人です。それは、今も変わりません。

だけど、社会に出たら何か話さないとコミュニケーションが取れません。取りたいから話す。それが、自信が無いから段々と量が増えた感じがします。

私は、人の悩み事を良く相談されます。初めて会った人だと、そんなにお喋りはしませんので、ジット相手を観察しています。相手が何をしたいのか分ってきたら相手の欲しい話をポンポンと出してきて相手を喜ばせようとします。回転寿司状態でしょうか(笑)

その話の中で、気に入ったものを見つけたら、それに近い話を次から次へと出して喜ばします。身内には、そんなにお喋りだと、人の心が分らないと言われますが・・ 私には人の心を惹きつける何かを持っているようです。だけど、普段は喋らないから疲れます。

私は、ITの専門学校で講師をしていた時に、非常勤なのに研究室を持たせて貰いました。教室で講義するのと、研究室で個別に生徒を指導する2つのタイプの授業をしていました。
講義タイプでは惨敗でした。生徒が段々と辞めていくのです。残る生徒は勉強のやる気が有る人だけに成ってしまいました。研究室で育てた生徒は、学校ではトップクラスの生徒達に成りました。個々に対応するのは上手みたいです。

ですから、現在は不特定多数の人の前での講義は殆どしません。講師やリーダーに成る人だけを個別に指導する方法を取っています。

聞くのがお助けの基本と言われた事があります。だけど、私が助けられる人だとしたら、相手の事が分らないと自分の事を話したりしません。だから、相手の不安を取り除くために自分の情報から先に出して、相手と距離を近くしてから本音を引き出そうとしている様です。これは天然でしている様です。

これが、私の沈黙に対する自然と出てしまう対処法だと思います。
[ 2007/03/29 05:45 ] [ 編集 ]
>yoshiさん
沈黙を心地よいと思える相手とは相当気心の知れた相手ではないでしょうか.家族や親友,恋人(初期は難しいですかね)など.話題が浮かばなくて気を遣うこと私もよくあります.まるで自分が沈黙耐性がついているかのような記事を書いていますが私も苦手です.おたすけやにをいがけをしていく上では人の話を聞ける側にいることはとても大事なことなのでyoshiさんは素敵だと思います.お互いに精進させていただきましょう.

>ごはんさん
自信がなくて逆にしゃべれなくなってしまう人もいる中で積極的にしゃべる力のあることもいいところなのかなと思いました.人の悩み事を良く相談されるということは,おっしゃられるようにそれなりに人が相談したくなる何かをもっているということだと思いますよ.
それぞれに得意な分野や役割というのがありますから個別指導がごはんさんにとっては合っているんでしょうね.私も個別の方がいいです.集団は緊張します.
聞くのがお助けの基本と私も思います.相手の事が分らないと自分の事を話したいと思わない人もいれば,自分の話をまず聞いてくれてこそ自分を聞き入れられる人だということがわかって不安が取り除かれる人もいると思いますので,両方の見方をもっているとより受け皿が広くなるのかなと思いました.私はごはんさんと反対で後者ばかりなので,これからは前者の視点も頭においておこうと思います.ありがとうございます.
[ 2007/03/29 08:31 ] [ 編集 ]
ありがとうございます。

私の方法もありと言うことで、安心して人様の役に立つようにお喋りを続けたいと思います(汗)

素敵なアドバイスありがとうございます。
[ 2007/03/29 11:02 ] [ 編集 ]
まおさんはさすがにコメント上手ですよね!!感心です。
仕事柄それが出来るんでしょうか。

たしかに拝殿とかでは自分から自分の話をします。でも、聞きたくないだろうなという思いと格闘して話してる感じ。
自分に自信がないからってのもあるけど。
私はこうなんだけどあなたは?みたいに投げかけます。
心を開いてくれるまでがなかなか・・とにかく必死です。
私が話を聞いてもらう側にいるときは、聞いてもらえればいいんだからただ聞いてて!と心で思うときがあるんです。
でも、聞かされて心使って帰ったこともたくさんあります。
ごはんさんみたく、うまく出来たら拝殿の御用も楽しいですよね、きっと。
出来るなら技を習得させてもらいたいです。
だから日々外で色んな相手にぶつかっていくんですけどね。
[ 2007/03/29 21:56 ] [ 編集 ]
人様と仲良くなる方法は簡単です。

それは、相手を好きに成る事です。
・・たったそれだけです。
[ 2007/03/30 16:44 ] [ 編集 ]
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