「父性の喪失」
現代社会における父性の喪失は日本の経済が戦後急速に発展してきたことと深く関係がある.
家族とは様々な人間関係が存在する中で唯一血のつながりがある関係である.そこには厳しさもあるが,根底にはかけがえのない愛情がある.家族とのコミュニケーションは不可欠なものであるがそれが失われつつある.
日本の経済は発展したが,その背景には資本家や労働者の血のにじむような努力があった.そしてその当事者となるのは大抵男性である.女性は結婚を機に辞めたり,出産のための育児休暇などもあり,家庭との関わりは多い.しかし,男性は経済上の要請から企業戦士となり,連日遅くまで残業して,帰宅すれば疲労で寝るだけ.たまに早く終われば付き合い酒と家族との接点がなくなっている.休日は接待ゴルフに連行され,父親の不在の時間があまりにも多すぎる.挙句の果てには単身赴任の始末である.
父親は子どもに時間をかけて厳しさの中にある愛情を伝え,自主性や秩序など社会に出て一人でやっていくための術を教える存在であるのに,現代の資本主義形態は仕事至上主義といった感じで家庭を顧みることを許さない.そして,そのような父親のもとで育った子どももまた社会に出て,自分の親がしていたことを繰り返す.
父性の喪失は現代の経済状況が変わらない限り,起こり続けるであろう.父親は家庭での自分の存在と役割の大きさを再認識する必要がある.
Author:まお & あいこ
まお:お道を信仰するよふぼくであり,教会子弟です.現在は精神科で働いています.
あいこ:お道を信仰するよふぼくであり,まおと出逢って入信しました.現在は精神科で働いています.
それと、心理学で扱っている「父性」は君の考えているような「父性」じゃないし。良く勉強したほうがいいね!