眠り浅い?寝過ぎると成績ダウン 京都・八幡市教委が睡眠調査睡眠が「8時間以上」の中学3年生と、「6時間未満」「9時間以上」の小学6年生は、眠りの浅さなどによりテスト正答率の低さが顕著であることが26日、昨年実施した全国学力テストと学習状況調査を独自に分析した京都府八幡市教育委員会のまとめで分かった。
(中略)
睡眠時間と正答率の相関関係が顕著だったのは中3。睡眠が「8時間未満」までは大きな差はなかったが、「8時間以上9時間未満」の生徒は「7時間以上8時間未満」の生徒に比べ2~7ポイント点数が低く、「10時間以上」になると28~35ポイントも落ち込んでいた。
こういうまとめを発表してくれるのはありがたいのですが,これって本当にきちんと調査したのだろうかとまず疑いたくなります.統計学はあまり詳しくはありませんが,単に「睡眠時間と正答率の相関関係」だけの測定であればあまり参考にならないと私は思います.「眠りの浅さなどにより」とありますが,眠りの浅い深いをどう測定したのか?ということや,睡眠時間と学習時間は連動している可能性もありますので,学習時間の影響をきちんと排除して測定したのか?ということなどがひっかかります.多く寝ていればそれだけ学習時間も少なくなるわけですし.そのほかにも個人の元々の学力や知的能力の影響もありますので,単に2変数の相関関係であれば,結果以外のことはすべて推測の域を出ないわけですから,グレーな部分が多すぎる研究結果だと思います.
親御さんたちはわが子を思うがゆえ(そうでなく自己愛的延長として子どもに期待をかける親もいますが・・・),こういう記事には敏感なのですから,どこまでが結果から言える事実でどこからが結果から考えられる推測なのかをきちんと提示してほしいと思いました.熱心(?)な親御さんが早くよく寝る子どもを無理矢理遅くまで起こすなどという安易な対応につながりかねません.子ども一人一人に必要な睡眠時間は違います.7時間で回復する子,9時間で回復する子,たくさん寝た方が力を発揮できる子,あまり寝なくても力を発揮できる子と個人差があるのですから,どうかこういった情報に惑わされるよりも目の前にいるお子さんの個性を理解し尊重してあげてくださいね.
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