お道と臨床と~心づくりのたね~

お道(天理教)と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.日記風なこともわりとあります.

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解離性障害(2) 

未読の方は以下を閲覧ください.
解離性障害(1)

かなり久しぶりになりますが,続きです.

解離性障害の歴史的背景

病的解離の臨床的記載は17世紀まで遡ることができ、19世紀には多数ある。19世紀末の症例と現在の症例を比較しても強い臨床像の一致がみられる。解離性特性の中核(健忘、病的解離、トランス)が、時代と文化を超えて同一不変であることは、病的解離が精神の病的症状総体の基本形態の1つであるからと考えられる。19世紀のピエール・ジャネはとりわけ解離に関する外傷の重要性を断固追及しつづけた。第一次世界大戦後になるとジャネは不当に無視され忘れ去られたが1970年代後期からの解離に対する関心の高まりと、実用的な臨床定式、有効な治療法が要請される中で再び評価されるようになってきた。 

DSM‐Ⅰ(1952)では、「ヒステリー」が「解離性ヒステリー」と「転換ヒステリー」に分類されていたが、DSM-Ⅲ(1980)では、従来のヒステリーの概念が捨てられ、「転換ヒステリー」は「身体表現障害」となり、「解離性ヒステリー」は「解離性障害」と改められた。従来の古典的なヒステリーで代表される「解離性ヒステリー」、「転換ヒステリー」は、現実の解決困難な問題を処理できないことや、自分の中で相矛盾し対立する同一性の問題が大きな原因であるとされてきた。しかし、現在の「解離性障害」は、幼児期の虐待や性的虐待が大きな原因になっていると考えられている。DSM‐Ⅳ(1994)では、これまでの「心因性健忘」を「解離性健忘」に、また「心因性とん走」を「解離性とん走」に、そして「多重人格性障害」を「解離性同一性障害」に変更し、それぞれの障害が解離された表象の程度の違いであるということをより明確にした。

解離性障害の診断方法

  1. 次元的方式  
    「解離体験測定尺度」(E.B.カールソン F.W.パトナム)を用いて、軽度のよくある解離現象と精神病的な解離現象について尋ねる。正常から病的に至る幅広い体験を一つの連続体とし、この視点から解離に迫ろうとするものである。
  2. 記述的DSM方式  
    症状をカテゴリーから診断する。DSM-Ⅳでは「解離性健忘」「解離性遁走」「解離性同一性障害」「離人症性障害」に分類されている。DSMは成人中心に作られているため児童を評価するための方式が求められている。

治療法

解離性障害のほとんどは幼児期の虐待や性的虐待など、外傷性の精神障害に含まれるといわれる。よって、解離性障害の治療は、そのような心的外傷を客観的、現実的にとらえて治療に望むとともに、内的外傷ともとらえてそこに治療の可能性を求める必要がある。心的外傷を現実的な面としてだけにとらわれた治療を行うのではなく、それまでの人生を総括し自我の住む意識の場を大きく転換させる必要があると考え、症状の意味をクライエントの人生に生かしていくよう取り組む必要がある。

最初の解離性障害の治療目標は、健忘をなくすということになるが、この際、むやみに健忘を除くことは患者の防衛手段を奪うことで、精神にとって更に危機的な状況を作り出しうるということに十分配慮する必要がある。児童が患者の場合は遊戯療法などが適切である。遊びは児童の自己の感情を表現し、徹底操作して解消する場となる。外傷主題はプレイやアートやストーリーに表現され、陰伏的な形で治療することができる。この際、子供の自発性の尊重と、治療目標にあった治療の枠組みと治療者のイニシアティブが必要となる。


次回は解離性障害の中でも最も複雑で治療も困難な解離性同一性障害(いわゆる多重人格)について綴ります.

関連記事
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よく耳にするようになった「性同一性障害」もこの中(解離性同一性障害)に入る障害ですか?
[ 2008/03/18 22:44 ] [ 編集 ]
福岡県の教会長です。5月末に本を出すことになりました。よかったらご覧ください。


福村出版
http://www.fukumura.co.jp/korekaraderuhon.html
NHK
http://www.nhk.or.jp/fukuoka/inside/index.html
西日本新聞連載記事
http://kosodate.nishinippon.co.jp/feature/doi_home/
[ 2008/05/12 20:45 ] [ 編集 ]
コメントありがとうございます.素晴らしい活動をしておいでです.私も色々勉強させていただきたいと思います.今後ともよろしくお願いいたします.
[ 2008/05/13 21:54 ] [ 編集 ]
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