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お道と臨床と~心づくりのたね~

お道(天理教)と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.日記風なこともわりとあります.

身上から成長を遂げるということ  

昨日,末弟がおさづけを取り次がせていただいた私の友人とその父について旧ブログから転載・加筆したいと思います.

私の高校からの友人で,お互いの実家に気兼ねなく行き交える人がいます.むしろ私にとっての第二の実家とさえ言えるかもしれません.

気兼ねなくといっても実家同士は500km以上離れているのですが.私が天理にいた頃は彼が天理に実家があるので私はしょっちゅうお邪魔していましたし,よくしてもらいました.(始めて行った高校2年生のとき,私はいきなり居間でごろ寝しました.なかなかできることではないと気に入ってもらえたそうです.今思うと常識知らずだっただけなのですが・・・以来親しくさせてもらっているわけです)

両親が熱心なお道の信仰者でして,ご飯を腹一杯ごちそうしてもらったり,昼寝させてもらったり,引っ越しのときに重箱いっぱいの弁当を持ってきてくれたり,一人暮らしの家に帰るとドアの前に食料が置いてあったりと,本当にお世話になっていました.私の家に泊まっていた友人が発熱したときには,私がアルバイトに行っている間に彼の家に搬送されていたくらいでした.友人の彼も夏休みや春休みなどの長期休暇があれば私の教会に遊びに来るということが学生時代何度もありました.

友人は一昨年くらいから東京の国税局勤務となって現在も東京に住んでいますのでちょくちょく教会に遊びに来ます.反対に天理を離れた私はあまり彼の実家に行くことはなくなりましたが,今まで私が散々お世話になったので逆になったのかなぁと思っています.それでも,今年7月におぢば帰りをした際には寄らせてもらいました.また,私の父の死後,母同士も面識を持つようになり,会長がおぢば帰りをした際には話をしてくることもありますし,手紙のやり取りもしているようです.

彼の家族は本当に親子仲睦まじく,どこに出しても恥ずかしくないと思います.私がこれまで見てきた家族の中でもっとも家族関係が良好と言えるかもしれません.お父さんは本当に熱心なお道の信仰者で,お母さんも熱心でとても献身的で面倒見が良く,彼らの背中を見て育ってきた4人の子どもたちもそれはそれはよい子です.(関連記事;親の背中

さて,そんな仲睦まじく素晴らしい家族なのですが,今,お父さんが身上をいただいています.初めてその話を聞いたのはもう1年以上も前だったかと思いますが,おそらく家族は「なぜ??」という実存的問いと先を憂いたつらさを感じたことと思います.徐々に身体の筋肉が弱っていく難病で,現在はスプーンを持つのも重たいそうで,心筋機能も弱っているので,酸素吸引機をつけて生活しています.それでもお父さんは弱音を吐くことなく,日々を結構に喜んで通らせていただいているという話ですので感心するばかりです.

私が7月にお邪魔した際に,お母さんが「うちのお父さんはお道の人だからどんな話をしても大丈夫よ!何も気にすることないから」と言い,なんて言葉をかけたらいいのだろう・・・と少し頭を悩ませていた私の迷いを払拭してくれました.お母さんもまた強い人だと思いました.私はおさづけを取り次がせていただきました.今回も私と末弟とが1回ずつではありますが,おさづけを取り次がせていただきました.

生前父がよく口にしていたことですが,神様のご守護は鮮やかなご守護をいただけることもあれば薄紙をそぐように少しずつご守護をいただけることもあるそうです.どちらも神様のお働きだからそのご守護を喜ぶようにと父は言っていました.友人の父は病を抱えながらも,それでも「あれができなくなったではなく,まだこれができる,まだあれができる.そのことがありがたい」と言って感謝していました.神様のお働きがなければ息をすることさえかなわないのですから,なるほど病気が急速に進行せずに,自宅での生活を続けられることもまた神様のご守護だと思うわけであります.苦難の中においても日々を喜んで通っておられる友人の父を友人も私もとても尊敬しています.

また,この病気を通して家族や親戚は色々成人させてもらっていると聞いています.家族が力を合わせて助け合う意義を再確認したのかもしれませんし,苦労の中においても喜びを見出すことができることを父の姿から再確認したのかもしれません.親はわが子が親を思う心をひしひしと感じたかもしれませんし,子は親の大切さ,ありがたさ,孝行することの意味を発見したかもしれません.この身上が彼らにとってどのような意味があったかは彼らに聞かないとわからないことですが,いち信仰者として言えることはこのような苦労の道中にさえ,親神様のあたたかい親心は注がれ続けているということです.それは家族を超えた人類の親である親神様が子どもである彼らの成長を期待してなされることであり,彼らならば乗り越えられるだろうという親心あってのことなのではないかと思います.そして各々がそれを信じる心を持つことで,家族が遊離することなく家族全体を支える力になっているのだろうと思います.

このことは,病に対して何の意味づけができない人よりも,出来事をうまく処理できていると言えるでしょう.「運が悪い」「私は・私の家族はついてない」と考えて終わりだと,その病との闘いの中で家族はやり場のない不満や怒りを感じるでしょう.それをお互いにぶつけ合うことすらあるかもしれません.しかし,そこに自己を超えた超越的存在の力を感じることで意味が生まれるのだとしたら,信仰というものも無意味なことではなく,人生に意味を与え,人を成長させ,物事に対する寛容さを導く一助をなしうるものであると思えないでしょうか?

私は彼の家族を心から尊敬しています.そして,お父さんがその生を喜びの中で全うすることを願っています.


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