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お道と臨床と~心づくりのたね~

お道(天理教)と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.日記風なこともわりとあります.

教科書にのっていないアフリカ 

行ってきました.アクアシティお台場アクアアリーナの一角で行われていた小さなイベントでしたが,足を運んだ甲斐はありました.

体験型イベントということで,MP3プレイヤーから流れるアナウンスを聞きながら写真を見ていくもので,何人かのアフリカの子どもたちの実話がモデルになっていました.

私が見た世界は,ウガンダのエマニュエル3歳.

父親がエイズで亡くなり,母親と8歳になる兄と3人で生活していましたが,母親も咳き込むようになり,薬をもらうために持ち物を売って,歩いて10kmかかるクリニックを近所の人に自転車を借りて母を病院に連れて行きました.ケアの仕方を教えてもらい帰って来ましたが,母は間もなく亡くなりました.
その後,2人で家で生活していましたが,雨でその家も壊れてしまい,おばを頼って訪ねましたが,持ち物をほとんど取られた上,「お前たちも親のように死ぬんだよ」と言われて追い出され,家のない生活をせざるを得なくなりました.それを見た近所の人が家を建てるのを手伝ってくれて,二人の家ができました.雨がしのげることのありがたさをかみ締めたようです.
2年ほどが経ち,兄弟たちは両親がなぜ死んだのかを突き止めたくなり,クリニックを訪ねました.先生は「君たちの両親はエイズで亡くなったんだよ」と教えてくれました.その頃,エマニュエルもまた,両親と同じように咳をするようになったため,兄は心配で仕方がありませんでした.兄は意を決してエマニュエルをクリニックに連れていきました.エイズの検査は陰性でしたが,「エマニュエルはウガンダの子どもの中では幸運」とのことでした.その数年後,ワールド・ビジョンのスタッフに発見されて,今はチャイルド・スポンサー・シップの保護を受け,医師になるために勉強しているとのことでした.

ウガンダでは世界で最初に爆発的にエイズ患者が増加した国であり,近年やや減少傾向にあるもののまだまだ被害は甚大で,エイズ遺児も多くいるようです.両親を病気で亡くした「子ども世帯」と呼ばれる世帯もあり,彼らの生活は悲惨だと言います.

他にも3人のストーリーがあり,一緒に行った彼女が見た子ども―スティーブンは夜中に拉致されて兵士になる訓練を受けさせられて,殺人の手伝いをさせられていた子どもでした.やらないと自分が殺されるのでやらざるを得ない凄惨な生活です.男の子も女の子も拉致されたあとは性的虐待に遭い,女の子は兵士となる子どもを産ませるために妊娠させられるということでした.HIV感染も多いそうです.人権も何もあったものではありません.

これらはウガンダの子どもたちに実際に起こっている事実であり,私たちがのんきに平和なくらしをしている間に,なんとかこの苦しみから解放されたいと願っている子どもたちが何百万といるという事実を重く受け止めました.

「すべての人々に何もかもはできなくとも,誰かに何かはできる」というボブ・ピアスの言葉を思い出し,また日頃より心に留めておこうとしているおやさまの教えをもとに,いくらもできないけれども,私も私にできる何かをさせていただこうと再び決心しました.毎日ペットボトル1本(150円)を我慢するだけで,こうした貧困に苦しむ人たちに救いの手を差し伸べることができるのならば,それも立派な人だすけとして親神様に喜んでいただけるたねとなることと思います.また,結婚を前に,自分たちが当たり前と思っていることが世界では当たり前ではなく,どれほど恵まれていてどれほど感謝しなければいけないのかを再確認できたこともよい経験でしたし,つらい現実を見たけれど,知ってよかったと思いました.

イベントは明日までやっていますので,よろしければ是非足を運んでみてください.
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