統合失調症と親孝行-Satoruさんのブログ『プシコ・メモメモ』からの引用です.
講演を聞いていたら、東洋英和女学院の教授&横浜クリニック院長の山田先生が、昔にしたアンケートの話が出てきました。
病棟に長期入院している統合失調症の50名に「生きがいは何ですか?」と聞いて、紙に書いてもらったそうです。
すると45人が「親孝行」と書いたとのこと。
統合失調症で入院だけの生活を送ってる人にとって家族、特に親の存在は大きいものなんですね。
精神科病棟に長期入院している患者さんって,病状が悪くて退院できない場合もありますが,いわゆる社会的入院といわれている人たちもいます.病状は安定しているのだけれども,単身で生活するのは難しい,しかしながら家族が受け入れを嫌がったり,あるいは親兄弟が高齢のために面倒を見れずにやむを得ず入院し続けている人たちを指すことが多いです.
家族が受け入れを拒否している場合は別ですが,そうでない場合は家族に悪いイメージを持つこともそうないと思います.統合失調症に限らずですが,長期入院している場合,どうしても社会とのつながりに乏しくなり,かつての友人ともだんだん疎遠になり,孤立感を覚えることも多いと思います.そうなると,家族とのつながりというのがとても重要になりますし,それでもなおつながっていてくれる家族に対して,孝行したいという気持ちが自然と湧いてくるのかもしれません.
人間,豊かな社会資源に囲まれているときは親を口うるさく疎ましくと感じることもしばしばですが,周囲から孤立を感じたとき,それでもなお変わらず親として存在してくれたら,それほど心強いものはないかもしれません.誰しも元々は親の懐に抱かれ,育ってきたのですから,その感覚も当然のものでしょう.できることなら,日ごろからそのありがたみは忘れずに常に感謝して過ごしていきたいものです.
- 関連記事
-
スポンサーサイト