他者との距離について少し.
距離にはその人が相手に対して,あるいは相手の話す話題に対して抱く気持ちが表れます.よい印象を持てれば自然と距離は近くなりますし,悪いイメージしかもてなければ自然と距離をとりたくなります.
これは1対1でも大勢でも変わりません.講義や講話などでも前の方に座る人はよほどその講師によい印象を持っているか,その話題に興味があるかのどちらかであると思います.そうでなければ距離をとりたいと思うのが人の心情というものです.
私も学生の頃は総じて熱心な方ではなかったものですから,講義などは常に後ろの方に座っていました.特に講師に興味もなかったですし,講義内容にも興味がありませんでした.しかし,最近は研修や講演などがあるとできるだけ前の方に座るようになっています.講師個人には格別思い入れがないことが多いですが,その内容をできるだけ理解して吸収したいという思いが自然と距離を詰めるのです.
これが一般的だと思いますが,一方で誰に対しても距離が遠い人,あるいは近い人もいます.距離が遠い人は人付き合いが苦手だったり,人と接触すること自体に敏感で警戒心が強かったりするのだと思いますが,距離が近い人の心情というのは簡単には理解できないなぁというのが実感です.好意的な証拠,無警戒な証拠なのかもしれませんが,それが必ずしも相手に許容されるとも限りません.検査や面接などをしていても椅子を自ら前に移動させて近づいてくる人,立って話をしていてもだんだん距離を詰めて気がつくと20cmくらい前に立っている人,こちらの心情としては「近いよ」と思うわけですが,下がってもまた近づいてくるので結局距離を広げることができません.
適度な距離というのは難しいですが,エドワード・ホールによると,密接距離(0~45cm),固体距離(45~120cm)社会距離(1.2~3.6m),公衆距離(3.6m以上)とあり,親しい間柄であれば固体距離,ビジネスや社交場面,「ながら」状況(ex.作業しながら会話)であれば社会距離くらいが適度なようです.公衆距離をとると個人的関係が成立しにくいので,避けたい人にはそのくらいの距離を維持するとよいようです.講演・講義などは公衆距離ですね.
しなしながら,これも一般にということですので,結局のところ自分の印象によって他者との維持したい距離は変わってきますが,他者の自分への印象を考慮した上で伸縮させて適度な距離にしていく必要がありますのでより難しくなるのでしょうね.
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日本人よりも白人系、
白人系よりも確か黒人系だったかな。
一番近いのはイスラム系だったかなあと思います。
その、それぞれの人種で話をさせてみると、
どんどん片方が押されて行くみたいですよ。
乗り越えてきた歴史の厳しさとかも
影響しているのでしょうね。
深いですね~。